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YCCの解説と市場の反応

2020/08/20 07:16

YCCとはイールドカーブコントロールと言って日銀とオーストラリア中央銀行が行っている金融政策です。日銀は10年、オーストラリア中央銀行は3年の国債の金利を一定に収める政策をとっています。それがYCCです。

どういう意味があるかというと、中央銀行は基本的に一番短い金利、FRBだとFF金利、日銀だと公定歩合を、調整する事により市中の金利を調整します。ただ長い金利は間接的にしか調整できません。その長い金利を直接コントロールするというのがYCCなのです。

その効果は、企業の調達コストを抑えたり、住宅ローン金利を抑えたりすることにあります。それによって企業や個人の資金需要を喚起させることができるという事です。しかし弊害もあります、特に銀行は短期で借りて長期で貸すわけで、長短金利が縮むと利鞘が稼げなくなるわけです。

今回FRBはFOMC議事要旨でYCCはFRBのバランスシートが大きく拡大するという懸念を示しました。それはある一定の水準の国債を買い入れる事によって起こります。9月のFOMCでYCC導入の期待はかなりあったと思います。それが否定されたわけです。

今回のアナウンスにより、過熱していた株式市場には一定の冷や水、つまり調整が、また債券市場には債券売り、つまり金利の上昇が起きています。さらに金利の上昇により、為替はドル高、金は下落しています。これが市場の反応です。